「大人の為の日常ファンタジー」の最前線!『成程』/平方イコルスンのすすめ
あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。
さて突然ですけど、皆さん1000円あったら何しますか。1000円。松屋で牛めし3回食べますか。スシローでランチ2回食べますか。サラリーマンですね。1000円あると、下手するとブックオフで『彼氏彼女の事情』全巻セット買えてしまうかもしれませんね、人生のバイブルがペラッペラの1枚で手に入るなんていい時代です。
だけれどもその野口、できることなら今この一冊を買うのに使ってやってほしいと思うんです。
- 作者: 平方イコルスン
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2012/07/31
- メディア: コミック
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ちょっとした感想をば。表紙買いしたんですけど「なんでこれ楽園コミックスなんだ?!」というのが初読数ページの素直な感想です。楽園って雑誌はもっとドロドロっとしてたりツヤツヤっとしてたりするなんかヤバげな『恋愛』モノだろ、これは一体なんなんだという。なんJっぽく言うと「全く恋愛関係ないんですが大丈夫なんですかね…(震え声)」的な。で、まあ読み進めていくわけですけど、一冊まるまる読んだ後の感想は、「日常は恋愛、はっきりわかんだね」という。これは楽園コミックス正しく白泉社で、発掘してきたのはすごい。これは奇才。『日常』あらゐけいいちのそのテンションと豊かな想像を織り交ぜたグッと引き込んで持っていくようなネタとは違い、ぼんやりしたすごく近かった日常がこんなに可笑しかったなんて、でも実際それはないわさすがに!というまさしく「大人の為の日常ファンタジー」であり、モラトリアム入ってる大学生よりも社会人2年目で「はー仕事ってのはなー」とか言い出す今日この頃な人間向きだし、残業続きでヘロヘロなレッドブルも効きやしませんぜ旦那もうユンケルですわとかいう三十代前半、「四十で不惑とか言ってる場合じゃねえなー何やってんだろうなー俺」っていう皆さんの為の漫画です。
コミックスが大きいっていうのも意味がありました。これはB6判じゃ読めない。隅っこから隅っこまで地雷が落ちてるんですよ。文庫本で読む西原理恵子の『できるかな』みたいな。あらゆる所が日常しててファンタジーしてる。ズルい。面白いに決まってるじゃないですか。
そんな感じで、皆さんの英世をその革財布から抜き取るだけの価値はある漫画です。非常にわかりにくい薦め方をしているのは重々承知していますけれども、ちょっと先端過ぎて知識が不足してるし仕方ないんですよ。なんで、コミックスの帯に書いてあることが全てだと思うんでそれで判断してください。
『今、そこにあるはずの日常。 読めば「あるあ…ねーよ」なショートが23本。』
読み終わったら会社で隣のデスクの後輩に「これ読んでみろよ、面白いぞ」っつって貸したらいいです。そんで読み出したら「俺らにもこんな歳の頃あったんだよな…」って言えばいい。そんで「なに言ってんすかwwなにオレまで含めてんすかちょっとやめてくださいよww」とか言われればいいです。そうやって郷愁を自ら誘い出したくなるんだ!そういう漫画です。
P.S たぶん次は『赤パン先生!』/安永知澄 というのをオススメするかもしれませんがわかりません。
- 作者: 安永知澄
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2012/11/24
- メディア: コミック
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