その表情に、言葉に打たれてときめけ!驚異の初連載!―『花と落雷/渡辺カナ』のすすめ―
- 作者: 渡辺カナ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/01/25
- メディア: コミック
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死んじゃう!眩しくて死ぬ!
「俺物語!!」「アオハライド」「君に届け」等を連載する、現在最も面白い少女漫画誌、別冊マーガレット。確かにこれらの物語は非常に面白いし、名実ともに誌を引っ張っているエースタイトルでしょう。しかし今最も注目すべきは何を置いても『花と落雷』だろうと思います。これはすごい。初連載とかそういうレベルじゃない。確実にブレイクするであろうこの作品、この渡辺カナという作者に、是非とも今注目して欲しいんです。
この漫画を最初に読んだ時にまずいちばんに感じたのは「すごくいい顔を描くなあ」ということ。とにかく、そのキャラクター一人ひとりの表情が輝いている。嬉しい、驚き、切なさでさえも輝いてるもんだから頭に残るんですが、読み進めるにつれてものすごいそれが強くなっていく。決して見開き2ページぶち抜いてたりするわけじゃないし、1ページのぶち抜きだって少ない。コマの大きさじゃない、表情そのもののインパクトがすごい。やたらめったらきらきらしたストーリーの上にこんなにいい顔を乗せられたらもう!たまらないですよ!こういう感じは「君に届け」なんかに近いですけれど、より瑞々しさというか、「一瞬を切り取った」ような表情をしていて、これだけでも素晴らしいの一言ですし、手放しで全力で称えるくらいのものです。が、これだけじゃないところがまたすごい。
男キャラを描くのがやたら上手い。めちゃくちゃ上手い。カッコいいとかすごいとか強いとかそういうのではなく、ただそのキャラクターを描き上げるという中で男キャラの魅力がすごく強い。この作品においての主人公は女の子なのですけど、描写の量以上に魅力を感じるという点では男キャラの方が印象に残るほどに上手いんですよ。こういう描き方が出来るというのはとても稀有だと思いますし響くものがあります。
また、この作者の以前刊行されたコミックスも短編集ながら非常にクオリティが高いんですが、全体的な特徴として文字量を割と多く取っていて、それが前述した表情のインパクトと共に必要十分な量を、これしかないという言葉を描き切っているが故の分量なので全然くどくなくて、それがまたいいんです。そのより多い言葉までも輝かせるようにして描かれているこの漫画が面白くないわけがない。ああ、たまりません。
2013年刊行のコミックスだとピカイチで推せるこの作品、全2巻と短期の連載作品ではありますが、この新しい才能を是非、一度読んでみてはいかがでしょうか。
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追記(4/25):1巻がkindleに。リクエストって案外早く通るのねという感じしますね。
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