VOCALOID「だから」歌える曲について考えた

何度かVOCALOIDのエントリーを書いている割にはとても聴いているわけでもなく、かといってほとんど関わっていないわけでもなく、とても中途半端なところにいるのですが、それはわたしがうまくVOCALOIDに馴染めないという事ではなくて*1、どうしてもわたしが受ける感覚としてVOCALOIDを通すと、曲や詩といった部分の耳への届き方が素直じゃないという部分にあるんだと思います。そしてわたしはどちらかというと、「歌ってみた」カテゴリーの方から興味を持ってVOCALOID曲を聴き始めたということもあるでしょう。最近は慣れもあって、割とストレートに捕らえられるようにはなってきたかなという印象です。そうした中で個人的な感想として、VOCALOIDしか歌えない、というかVOCALOIDだから歌っていいと思わせる曲ってあるなあというのを少し前の曲ではありますが、ふと感じることがありました。それがこの曲です。

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巡音ルカオリジナル曲 「No Logic」 ‐ ニコニコ動画:GINZA

ジミーサムPさんの「No Logic」です。この曲の音の感じが好きで、最近思い出したように聴いていました。その後、この曲の「歌ってみた」を何人分か聴いたんです。そしたら「あれ?なんか違うな。」という感じ、結局は上記のところに戻って聴いています。なんでだろう?と考えてみたときに、どうも歌詞が引っかかっている、ということに気が付きました。

歌詞はこちら。 piapro(ピアプロ)|オンガク「No Logic」

わたしが引っかかっていた部分というのは、「神様」というところ。わたし自身、ブログにもいくつか創作したものを載せていたりしますが、基本的NGワードとしているのが、たとえば「天使」だったり「悪魔」だったり、そういう、いわゆる「空想上の象徴」とされているものを出す、というところです。「神様」もそのひとつです。*2

それはなぜかというと、要するに「なんでもあり」になってしまうからです。それを使うことで展開だとか雰囲気だとか、そういうものを都合良く作りきれてしまう、「便利ワード」にしてしまえるというところ。言葉や文字の持つイメージを超えて偶像に感じの部分を預けるというのが、わたしの中に少しはある「伝えたいなにか」というのを一足飛ばしで表現出来てしまうというのが、そういったものを使えない理由です。

本題に戻ります。それで何故、VOCALOIDだと引っかからずに人が歌うと気になってしまうのか。それはもう率直に、「VOCALOIDが人でないから」という部分に落ち着くんだと思います。わたしにとって「VOCALOIDの声」というものがプログラムである、という前提を超えないということがいい意味で、この曲を歌詞も含めて素直に聞ける要素であることは確かです。製作者の意思が歌詞に現れていたとしても、声に感情の込め幅や意思が現れる、人である以上避けられないことを抑えて伝えられる、VOCALOIDだから出来ることを上手く活かしていると感じました。

「神様」が悪いということでは全くありません。動画のコメントに「RADWWIMPSっぽい」というものがしばしばあるように、そういった言葉に非常に説得力を持たせることが出来ることもあります。ただ、この曲の場合はそれが薄く感じたというわたし個人の感想です。いい曲だと思います。

というわけで、久々に言葉とか雰囲気とか、そういうものに向かい合ってみることが出来たので、わたしはこの曲が聴けてよかったと思っています。


おわり。

*1:わたし自身も、何も公開はしていませんがVOCALOIDの1ユーザーです

*2:使わないこともないですが、基本的には使いたくないと思っています。