さらっとサンセット



雨の上がった後の夕暮れの美しさと、好きな人を抱きしめた時の暖かさは、とても似ていると思う。


どういうところで繋がっているのかとか、関係があるとかないとか、そういう難しい事は置いておいたとしても、私がそう思うのだから仕方ない。私がそう感じるのだから仕方ない。大抵の事はそういうものだと思っているしこれからもそうだろうけど、それは私の中だけの話で、そんな事がさっぱりわからないほどもう子供じゃない。もちろん子供だった時期というのはあるのだけど、そんなこともどうでもよくて私がそう感じられている事が大事なのだと思う。


雨の上がる瞬間、というのを私は見たことがなかった。もし見られたなら私は神様を信じると思っていたし、きっと私のなかの何かが変わるんじゃないかとも思っていた。でもいざその瞬間に立ち会ってしまった後に私が神様を信じることもなかったし、何かが変わることはなかったけれど、それでも確かに私の中にはその瞬間に感じたことが確かに残っている。そういうことだと、思う。


きっと、そういうこと。あいまいさ、とかあやふやな感じ、とか、言葉にすればきっとそういうこと。でもそういうことが、そういうことのままに出来ない人もいて、それはそれで、きっと「そういうこと」なんだと思う。私にとっての「そういうこと」、誰かにとっての「そういうこと」、簡単なことなのだけれど、受け入れられなかったり抵抗してみたり逃げようとしてみたり。それもまた「そういうこと」。


なんだか悟った風だけれど、私だってこんな風になっているとは思わなかった。思う事と感じることはきっと少しずつ違っていて、それを表現するのはとてもあいまいであやふやで、いつだってそういうことなのだ。少なくとも私にとっては「そういうこと」だ。


いつだってそうありたい。そうありたいと願うから、私には「そういうこと」を感じる事が出来るんだと、そう思っていたい。



かしこ