本当はあなたにこう伝えたかった。


本当は、電話なんかじゃなくて直接言えればよかったんだけどさ。なにせタイミングとかいろいろ、掴めなかったし。言うチャンスだけはたくさんあったと思うんだ、そんな気がしてる。でもわたしにはそんな勇気はなかったんだよね。「いつでも言える」なんてごまかして、本当は言う勇気がなかっただけ。今でもたまに思うよ、あのときが最後のチャンスだったんだなあ、って。そういうのって、たいがい後になって気付くものなんだよね。そういう気がしてるんだ。

あの時わたし、何を電話で言っていたのかほとんど覚えていないんだけど、1つだけはっきり覚えていることがあるよ。それが今まで、わたしをずっと後ろに引っ張っていたんだなあって、1年たってやっと気付いたんだ。

わたし本当は、「好きだったんだよ」じゃなくて、「好きだよ」って、言いたかった。

今度わたしに、あなたより好きになれるひとが出来たら、ちゃんと言おうと思うんだ。あなたが教えてくれたんだよ。

真っ直ぐ目を見て、「好きだよ」って。あなたには言えなかったけれど、必ず言えるようになるから。だから、次に会うことがあったら、笑って久しぶりって、きっと言えると思うよ。


かしこ