プリーズ・プリーズ


360゜周りは四方八方が暗闇に覆われていて、下手に動くことも出来なくなっていた。

少し前までは足元に差す光の基を視ていれば何も、何も選ばずとも歩いて行けた。それが瞬間―もしかしたらわたしだけがそう感じていたのかも知れないが―、放り出されてしまっていた。

驚いた。こんなことってあるのだろうか?余りに今までの場所と違いすぎている事が、かえって現実味を薄れさせていた。

とにかく、光を探さなければ。そう思っているのに、気が付けばわたしは目を瞑っていた。

疲れていた。流されるだけだったにもかかわらず、だ。いつのまにか、選び取る事よりも、上手く流される事にエネルギーを注いでいた。それすらも上手くいかなくなっていたことを、気付きたくなかった。それを今この状況で思い知らされるなんて――。



遠くに光の点が見えた。目は瞑ったままだったけれど、はっきりとわかった。

“あなたが助けてくれるの?”

それは何も示さなかったけれど、わたしにはわかった。それはわたしを助けるでもなく何をするでもなく、ただわたしに現実との距離を突きつける為の存在だった。